おたふくかぜの症状について
おたふくかぜとは、耳の下の唾液腺の耳下腺が腫れて痛くなる病気です。
正式名称は「流行性耳下腺炎」と言います。
おたふくかぜ風邪を普通の風邪と同じように考えてはいけません。
おたふくかぜは人生で一回しかかかることはありません。
おたふくかぜは、子供の時期にかかるのが一般的なのですが、まれにあるのがおたふくかぜが大人でもかかるということです。
特に大人のおたふくかぜは大変です。
“耳下腺炎”という通り、耳の後ろからあごが腫れ上がって痛くなります。
子どもは初め「耳が痛い」と訴えることが多いので中耳炎だと思うことも多いですが、すぐに耳の後ろからあごが腫れるので区別がつくはずです。
片方しか腫れないこともあれば、後からもう片方が腫れてくることもあります。
腫れた部分は赤くなったり、熱を持ったりはしません。
さらに38℃前後の熱が出ることもあり、赤ちゃんは40℃ぐらいの高熱を出すこともあります。
ただ、熱が出ない子どももいます。
熱と腫れは3日目ぐらいがピークで、大きく腫れ上がり、押されるとかなり痛みを感じます。
腫れている間は唾を飲み込むのもつらいので、食事は流動食にしましょう。
また、口の中が荒れやすくなるので、まめにうがいをすることも大切です。
ピークが過ぎれば腫れは徐々にひいていき、5~10日で治ります。
おたふくかぜの原因は唾や鼻水などの飛沫によって、ムンプスウイルスに感染したことです。
特効薬はないのですが、病院で腫れを抑える冷湿布や解熱剤などをもらうこともあります。
熱が下がらず、吐き気や頭痛がある場合は、おたふくウイルスによる髄膜炎を併発している可能性があるのですぐに受診しましょう。
大半は後遺症を残さず治ります。
聴神経をやられて、片側の耳が難聴になることもあるので、注意が必要です。
おたふくかぜは3~10歳ぐらいの子どもに多い病気です。
潜伏期間は2~3週間。
伝染力は弱く、兄弟でもうつらないことがあるほどです。
それでも発症後7~10日経って伝染力がなくならないと、幼稚園や保育園、学校には行けません。
任意摂取となっている予防接種を入園前に受けておくといいでしょう。
また、怖いのは大人がかかった場合です。
特に男性はまれに睾丸炎となり、精子が十分につくれなくなって、不妊症の原因となる場合があります。
おたふくかぜにかかっていなくて、この先、子どもを産みたいと考えているご夫婦は検査や予防接種を考えた方がいいでしょう。
ただし、子どもの場合はこの心配はありません。
おたふくかぜの治療と予防
おたふくかぜの治療
おたふくかぜの症状についてお話してきましたが、おたふくかぜの治療についてもお話したいと思います。
おたふくかぜの原因はムンプスウイルスですが、このムンプスウイルスを退治する薬はありません。
自然におたふくかぜの症状が治るのをひたすら待つことになります。
痛みがひどいときや熱で体力を消耗したりするときには症状を抑える薬を使うことがあります。
腫れた部分を冷やしたりすることもあります。
子供がおたふくかぜにかかったらまずは絶対安静が必要です。
水分補給を高熱のある時には安静にして水分補給を欠かさないようにしましょう。
また、消化が良くて食べやすいものを与えましょう。
口の中にものが入ると痛がるときにはストローで水分・牛乳などを飲ませます。
オレンジジュースなどの酸味の強いものは唾液腺を刺激するので避けましょう。
おたふくかぜの症状が少しましになっても、熱のある間は入浴を避け、体力を使わせないようにしましょう。
もちろん幼稚園・学校には行けません。
おたふくかぜを他の子供に感染させない為、腫れが引くまでは休ませます。
おたふくかぜの予防接種
おたふくかぜは普通の風邪とは違う病気です。
おたふくかぜの症状だけで安易な対応はしてはいけません。
おたふくかぜの予防として予防接種が有効と書きましたので、おたふく風邪予防接種の簡単な知識を書いておきます。
・ムンプスワクチン(おたふくかぜの菌のワクチン)摂取後は 約9割以上の割合で抗体がつきます。
・おたふくかぜはワクチン接種率を高めることで流行を排除できます。
おたふくかぜの予防接種の症状とワクチンの主な副反応として1番多いのは
・耳下腺炎(自然感染の症状70%、ワクチン3%)
2番目に多いといわれているのが
・無菌性髄膜炎細胞増多(自然感染の症状50%、ワクチン不明)
症候群(自然感染の症状3~10%、ワクチン1/1000~1/10000%)
3番目に多いのが
・脳炎(自然感染の症状0.02~0.3%、ワクチン4/1000000)
その他には以下のようなおたふくかぜの予防接種の症状とワクチンの主な副反応があります。
・難聴
・睾丸炎
・両側腫脹
・乳腺炎
・卵巣炎
・膵炎
これらのおたふくかぜの予防接種の症状とワクチンの主な副反応は、症例率は低いですが場合によっては危険を伴いますので十分な注意が必要です。
おたふくかぜの雑学
おたふくかぜに似た病気
おたふくかぜの症状はある程度わかったと思いますので、おたふくかぜの症状からおたふく風邪に似た病気についてお話したいと思います。
おたふく風邪のように耳下腺が腫れるもので多い病気として反復性耳下腺炎(おたふくかぜと呼ばれていない)があります。
・反復性耳下腺炎(おたふくかぜと呼ばれていない)の症状
耳下腺が何回も腫れる。
片側、あるいは両側の耳下腺が突然腫れ、1~2週間ほど腫れ、年に数回繰り返します。
・反復性耳下腺炎(おたふくかぜと呼ばれていない)の原因
細菌が入って起こるものと、原因がわからないものがあります。
・反復性耳下腺炎(おたふくかぜと呼ばれていない)は
抗生物質を飲むと良くなるものがあります。
・反復性耳下腺炎(おたふくかぜと呼ばれていない)にかかる年齢は
6歳未満に多いです。
(中学生までには8~9割くらいの割合で自然に治ります。)
・反復性耳下腺炎(おたふくかぜと呼ばれていない)は
伝染病ではないです。
・反復性耳下腺炎(おたふくかぜと呼ばれていない)にかかり、
発熱はあっても37度台の事が多いみたいですね。
また、おたふくかぜに似ている病気として化膿性耳下腺炎(おたふくかぜと呼ばれていない)があります。
・化膿性耳下腺炎(おたふくかぜと呼ばれていない)の原因
耳下腺に細菌が入って起こります。
・化膿性耳下腺炎(おたふくかぜと呼ばれていない)の治療
抗生物質を飲むことが治療になり、原則として入院します。
・化膿性耳下腺炎(おたふくかぜと呼ばれていない)にかかったら
発熱・耳下腺の腫れと痛み、頬の赤みが出ます。
・化膿性耳下腺炎(おたふくかぜと呼ばれていない)にかかる時期
新生児や乳児、消耗性疾患にかかった年長児までにみられます。
・化膿性耳下腺炎(おたふくかぜと呼ばれていない)は、片側の耳下腺の腫れで発熱・耳下腺の痛み・開口(口をあけること)障害
腫れたところの皮膚の赤みがあります。
・化膿性耳下腺炎(おたふくかぜと呼ばれていない)は、耳下腺の出口から膿がでてきます。
などおたふくかぜと似たような症状があります。
大人でもおたふくかぜ
おたふく風邪は人生で一回しかかかることはありません。
おたふく風邪は、子供の時期にかかるのが一般的なのですが、まれにあるのがおたふく風邪が大人でもかかるということです。
それはおたふく風邪にまだかかっていない大人に、ありうる話です。
なので事前におたふく風邪予防接種などの予防は大切ですね。
以前におたふく風邪がかかったことがあるけど、またおたふく風邪と同じ症状が出てるという人は、病院へ行って診察を受けてください。
おそらくおたふく風邪ではなく、おたふく風邪と症状の似た反復性耳下腺炎か、化膿性耳下腺炎でしょう。
いずれもおたふく風邪と似た症状がでて、一般の人では判断しにくいもんです。
大人のおたふく風邪は、症状が重いと言われていますし、合併症もヒドイと言われています。
笑い話ではないですが、大人になってのおたふく風邪が原因で男性の場合だと子供を作る機能が低下し子供を持つことが出来なくなる場合もあります。
ですから、おたふく風邪を安易に考えず、キチンと治療することが大切ですね。
おたふく風邪の合併症
おたふく風邪は大変な病気ですが、普通は誰でもかかると言われています。
おたふく風邪は、子供の頃にかかるのが一番で大人になっておたふく風邪になると色んな弊害が起こるとも言われています。
又、おたふく風邪には合併症があるのをご存知でしょうか?
おたふく風邪の合併症についてお話したいと思います。
おたふく風邪の合併症として最も頻度が高い合併症が髄膜炎・髄膜脳炎がです。
又、大人になってかかるおたふく風邪の合併症の中の一つとして、睾丸炎は成人では25~35%に合併しますが小児にはまれです。
又、すい臓炎・卵巣炎もまれにおたふく風邪合併症として起こります。
おたふく風邪にかかり、頭痛が強く、何回も吐くときや1週間以上たっても腫れが引かないときや熱が5日以上続くとき、耳の下の腫れが赤くなったとき、睾丸を痛がるときなどはもう一度診察したほうが良いでしょう。
おたふく風邪の症状で、耳下腺の腫れあがります。
このおたふく風邪症状が引くまでは学校等には通わせないほうが良いでしょう。
他の子供に移る可能性が高いためです。
おたふく風邪症状の耳下腺の腫れが引くのは大体約1週間ぐらいです。
そのころには学校には行けるでしょう。
他の子供たちへのおたふく風邪感染も心配なく通わせることができますね。