日本における金投資
日本でも金への投資が盛んになってきています。
あまりマスコミでは報道されませんが、まさに今、日本における金への投資が活況を呈しているのです。
長引く不況で脆弱化した日本の金融システムに不安を持つ投資家が、「実物資産」である金に資産をシフトさせてきています。
日本の金の輸入量は、既に例年の年間実績を大きく上回ってきています。
さらに、東京商品取引所の金先物市場も賑わいをみせ、過去の話では2002年2月には346,076枚という空前の出来高を記録しました。
これは346トンの金が取引されたこととなり、1日でバブル期の年間輸入量に匹敵する取引量なのです。
また、米国でも金投資が注目を集めています。
ITバブルの崩壊以降、軟調だった米国および主要国の株価は、急落に見舞われ、世界中の投資家の肝を冷やしました。
原油などの主要商品も軒並み下落するなか、金はドル建て価格を上昇させ、「有事の金買い」を立証します。
その後も株価が急落局面に陥るたびに金価格は堅調となり、金が金融資産の避難先として機能していることを示しています。
金投資は金融商品
個人が利用できる金投資の方法には、地金商や商品取引員などから金の地金を購入する方法、金の先物取引、毎月一定の金を購入する純金積立など様々なものがあります。
より間接的には、世界の金鉱会社の株への投資や金鉱株や金地金に投資するタイプの投資信託商品の購入も考えられます。
金には利息や配当金の支払いはありませんので、定期的なインカムゲインが欲しい人には向いていません。
現物でも先物でも投資家の目的は、他の投資商品と合わせ持つことによるリスク分散や値上がり益ということになります。
最近金投資が注目されている一つの理由は、金価格が歴史的にかなり低い水準に置かれていることが挙げられます。
80年代には、1オンス=300ドルから500ドルの範囲で取引されていた金は90年代後半に入ると300ドルを下回り、2001年2月28日には1年数ヵ月ぶりに260ドルを下回りました。
2002年12月末現在では1オンス=348ドル程度に上昇していますが、それでも長期で見ると低い水準にあると言えます。
また、テロ問題、中東の緊張、北朝鮮問題など世界的に緊張が高まっていることも、有事の金買いを誘っているようです。
金は国際市場においてはドル建てで売買されますが、日本の個人投資家が金売買を行う際には、通常円建てでの取引となりますので為替相場の変動の影響を受けます。
また、身近な純金積立の場合でも、口座管理料や手数料が必要であり、その手数料率も他の金融商品と比較すると決して安くはありませんので注意が必要です。
金取引のリスク
金の取引とリスク について考えてみます。
金投資には、どのようなリスクがあるでしょう。
金投資には信用リスクはないものの、市場リスクは常に伴います。
また、金は国際市場においてはドル建てで売買されますが、日本の個人投資家が金の売買を行う際には、通常円建てでの取引となりますので為替相場の変動の影響を受けます。
また、純金積立の場合でも、口座管理料や手数料が必要であり、その手数料率も他の金融商品と比較すると安くはありませんので、取引を始める前にはきちんと調べることが大切です。
金の先物売買は、商品先物会社に口座を開設し、そこに一定の証拠金を積み、レバレッジを効かせて金の先物の売買を行います。
決済は反対売買による差金で行われるために、少額で大きな取引が可能となりますが、思惑が外れた場合には大きな損失を被ることになる可能性もあり、ハイリスク・ハイリターンの投資方法であると言えます。
金貨や宝飾品は、地金商や貴金属店などで購入します。
日本国内でもペイオフ解禁の頃には、金貨や金の小判などがよく売れたという話がマスコミを賑せました。
金鉱株やゴールドファンドは証券会社などで購入できます。
金の価格が上昇すると金鉱関連企業の業績も向上するために、それが株価に反映されるというわけです。
金の価格の決まり方
金の価格の違いについてお話します。
金も他の商品と同様に、その価格は需要と供給によって決まります。
ですから需給がひっ迫すると、金価格は上昇します。
需要が増加したり、供給が減少すれば需給は逼迫します。
逆に需給が緩和すれば、価格が下落します。
例えば、世界最大の金の産出量を誇る南アフリカ共和国で非常事態が起こったり、世界各地で戦争などが発生するような場合にも、金の供給を圧迫する要因となり、価格が上昇する要因となります。
また、金価格はインフレーションにも反応します。
インフレーションが起これば、通貨の価値が下がるため、逆に物の価格が急騰します。
ですから金価格も上昇するのです。
金地金は、主に地金商・銀行・商品取引員などで販売されています。
各販売店によって価格が違うのは、金地金の流通コストや販売マージンがそれぞれ異なっているからなのです。
商品取引員(第一商品)で販売している金地金は、日本で唯一の公設金市場である「東京工業品取引所」の価格を指標としているため、流通コストや販売マージンが少ない価格で販売しています。
ですから、金地金をお得な価格で販売できるのです。
金の先物取引
金の投資取引には色々ありますが、大きく分けて「現物取引」と「先物取引」に分けられます。
「現物取引」とは文字通り、現物そのものを売買する取引のことです。
これに対して「先物取引」とは、何ヶ月か先の価格を現時点で予約して取引する、という取引形態です。
予約して取引するため、期限がきた時に価格が大きく変動していても、予約した時の価格に変わりありません。
また、期限前に反対取引により取引を清算することができます。
ただし、買い付けた時よりも相場が上がっていた場合には売買益となりますが、反対に下落していた場合には売買損が発生しますので注意が必要です。
もう一つ先物取引の大きな特徴として、実際の取引より小額の担保金(証拠金と言う)で取引が始められることです。
実際に金1kg現物取引すると、200万円程度が必要ですが、先物取引では僅か75000円程度で取引開始できるため、かなり資金効率が高い取引であるといえます。